【8月23日AFP】ラグビーニュージーランド代表はスパイ行為をされたことを受け、ホテルの部屋に盗聴器が仕掛けられているか定期的に確認していることが明らかとなったが、これが被害妄想だとする意見を否定した。

 オールブラックス(All Blacks、ニュージーランド代表の愛称)は20日、ラグビー南半球4か国対抗戦のザ・ラグビーチャンピオンシップ(The Rugby Championship 2016)を控えて滞在していた豪シドニー(Sydney)のホテルで、盗聴器が発見されたことを公表。この問題で現在は地元警察による捜査が行われている。

 問題の装置は、ニュージーランドが42-8でオーストラリアに勝利した試合に向けたミーティングを行う会議室の椅子に埋め込まれており、部屋中を捜索した警備員に発見されたという。

 元警察官でもあるオールブラックスのスティーブ・ハンセン(Steve Hansen)ヘッドコーチ(HC)は、それから盗聴器を警戒して定期的にホテルの部屋を一斉捜索していると明かした。

 さらにアシスタントコーチを務めるイアン・フォスター(Ian Foster)氏は、世界王者の被害妄想だとする批判の声を一蹴し、「被害妄想という言葉を使うなんて言ってくれるね。そんな言葉はタッチラインに蹴り出してしまおう」と地元紙に語った。

「全員がショックを受けているし、複雑な気持ちも理解できる。ラグビーにとって好ましくない状況だが、実際に起きてしまったものは、われわれにはどうしようもない。とにかく前に進むだけだ」

 ニュージーランド代表はまた、盗聴器が最初に発見されてから5日間も警察に届け出なかったことについても批判されていた。今回の事件についてはメディアが先に報じていたため、警察が知ったのはチームがようやく被害を報告した20日朝のことだった。(c)AFP