【8月21日 AFP】メキシコ最大の麻薬密売組織「シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)」の元最高幹部、「エル・チャポ(El Chapo)」ことホアキン・グスマン(Joaquin Guzman)受刑者の息子で、武装集団に拉致されたヘスース・アルフレード・グスマン(Jesus Alfredo Guzman Salazar)容疑者(29)が解放されたことが、20日の家族の話で明らかになった。

 グスマン受刑者の息子は15日、メキシコ西部のリゾート都市、プエルトバジャルタ(Puerto Vallarta)の高級レストランのバーでパーティーをしていたところ、ピックアップトラックに乗った武装集団によって拉致された。一緒にいた6人のうち他に5人の男性が拉致されたが、交渉の結果、全員無事に解放されたという。安全上の理由から匿名で答えた家族がAFPに明かした。

 今回拉致されたグスマン受刑者の息子は、父親の麻薬密売組織シナロア・カルテルの中心人物で、米当局から指名手配されている。拉致された様子が写っていた監視カメラの映像から、ハリスコ(Jalisco)州の検察当局が身元を確認した。

 グスマン容疑者らを拉致した集団は、最近台頭してきたシナロア・カルテルのライバル麻薬組織、「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」の一味だと当局はみている。両組織が拠点としているハリスコ、シナロア両州の知事は、報復の応酬を警戒している。(c)AFP