【8月20日 AFP】ロシア当局は19日、首都モスクワ(Moscow)の郊外で17日に武装した男2人が警察の検問所を襲撃し、警察官2人が負傷した事件について、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出したことを受け、捜査をしていると発表した。

 現場はモスクワの東20キロの地点にある警察の交通課の検問所。容疑者2人はその場で射殺された。捜査当局は当初、警察とのいざこざが動機とみていたが、18日になってISは、同組織系通信社アマック(Amaq)のウェブサイトに犯行を主張する動画を出した。

 動画では今回の事件の容疑者とされる若者2人が、「聖戦」に加わり、ISの最高指導者アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者の指揮下にあると話している。2人のうちの1人はロシア語で「われわれの首長の命令で、モスクワにいる。おまえたちが毎日、シリアでわれわれの兄弟を殺害していることに対する報復だ」と語っている。

 米テロ組織監視団体「SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)」によれば、アマックは2人の容疑者をISの戦闘員だと認めており、それぞれの氏名は「ウスマン・マルダロフ(Uthman Mardalov)」と「サリム・イスライロフ(Salim Israilov)」だとしている。

 ロシアの治安部隊関係者がインタファクス(Interfax)通信に19日に語ったところによると、容疑者の2人はイスラム教徒が大半を占める北カフカス(North Caucasus)地方のチェチェン共和国の出身で、イスラム過激派系のウェブサイト上で頻繁に活動していたという。(c)AFP