【8月19日 AFP】リオデジャネイロ五輪に出場したライアン・ロクテ(Ryan Lochte)ら競泳米国代表の4選手が、現地で強盗被害に遭ったという話が虚偽だったことが明らかとなり、米国オリンピック委員会(USOC)は18日、ブラジル側に対して謝罪した。

 USOCのスコット・ブラックマン(Scott Blackmun)最高責任者(CEO)は、「リオ五輪の大会主催者、およびブラジル国民の皆さまに対して、卓越性の祝祭であるべき五輪のさなかに、こうした興をそぐ騒動を引き起こしてしまったことを謝罪いたします」と声明を発表した。

 ブラジルの警察当局はこの日、身柄を拘束していた米代表のジョセフ・ベンツ(Gunnar Bentz)とジャック・コンガー(Jack Conger)が、捏造(ねつぞう)した強盗話を取り下げたことを受け、両選手を釈放。ブラックマンCEOは、2人が「パスポートを返却され、先ごろリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)を出立した」ことを明かした。

 ロクテは、事件が明るみに出た時点ですでに米国へ帰国していた。もう一人のジミー・ファーゲン(James Feigen)については、「早急にパスポートを返却してもらう」べく、うその強盗話に関する「証言を改めた」という。

 五輪で通算6個の金メダルを獲得しているスーパースターのロクテを含む4選手の問題は、事件の発覚以来、メディアで大きな注目を集めていた。

 4人は当初、13日未明にリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)のガソリンスタンドで、警官を装った人物により金品を奪われる被害に遭ったと主張していた。

 この話を受けて、大会組織委員会は安全面の不備を謝罪。ところが4人の話の矛盾点が次第に明らかになってくる中で、ブラジルの司法当局は17日、捜査が終了するまで彼らをブラジルから出国させないよう命じていた。

 そして警察は18日、事件の真相について、4人はリオで夜遊びをした後、酒に酔った状態でガソリンスタンドのトイレを壊し、現場の警備員とトラブルを起こしたという見解を示した。USOCは声明で、選手が18日の取り調べで、警察の見解が正しいと認めたことを示唆した。

「4人はガソリンスタンドに立ち寄ってトイレを使い、そこで一人が破壊行為に及びました。そして、選手たちと2人の武装した警備員の間で口論となり、後者が武器を提示しながら、乗り物を降りて弁償代を払うよう命じました。そして2人は選手から金銭を受け取り、4人は立ち去ることを許されました」

(c)AFP/Sebastian Smith