【8月14日 AFP】リオデジャネイロ五輪に出場したサッカー男子アルゼンチン代表のフリオ・オラルティコエチェア(Julio Olarticoechea)監督が12日、混乱に陥っているアルゼンチンサッカー協会(AFA)から給与が支払われず、妻が娘から借金せざるを得ない状況になっていることを明らかにした。

 アルゼンチン五輪代表は、10日に行われたグループDのホンジュラス戦を1-1で引き分けて1次リーグ敗退が決まり、リオ五輪から姿を消した。オラルティコエチェア監督は当初、同国女子代表チームを率いていたが、7月に当時のヘラルド・マルティーノ(Gerardo Martino)代表監督が電撃辞任したため、準備期間を満足に確保できないまま、五輪代表チームの指揮を執ることになった。

「妻が電話をかけてきて、稼ぎのいいパティシエの娘からお金を借りているというんだ」と明かしたオラルティコエチェア監督は、「妻は私に『お金が必要なんです』とAFAの責任者に伝えてくれと言っていた。私は娘に借金をしている。泣きたいけれど、これが現実だ」と語った。

 AFAは現在、汚職問題により国際サッカー連盟(FIFA)が設置した正常化委員会の管理下にある。ホンジュラス戦後に涙を流したオラルティコエチェア監督は、マルティーノ代表監督がスタッフとともに辞任した直後、AFAに残留した唯一のコーチだった。

 ディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏らと一緒に1986年W杯を制した優勝メンバーの一員でもあるオラルティコエチェア監督は、「今回(の敗退)を最後に、皆さんに期待されるプロサッカー組織として正常化されなければならない。AFAがどん底まで沈んでいることに疑いの余地はない」と述べた。

 アルゼンチンサッカー界にとって明るいニュースは、世界年間最優秀選手「FIFAバロンドール(FIFA Ballon d'Or)」に5度輝いた実績を持つリオネル・メッシ(Lionel Messi)が、エドガルド・バウサ(Edgardo Bauza)監督に説得され、代表引退を撤回したことになるだろう。

 アルゼンチン代表は今年6月、コパ・アメリカ・センテナリオ(Copa America Centenario USA 2016)決勝で、PK戦の末にチリに敗戦。チームは最近3年間で3度も主要国際大会の決勝で敗れており、大きなショックを受けたメッシは代表引退を表明していた。(c)AFP