【8月10日 AFP】アフガニスタンのナンガルハル(Nangarhar)州で、同国軍と共同作戦を実施していた米軍の特殊部隊が、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の攻撃を受けて、部隊の武器や装備品の一部を放棄していたことが分かった。米国防総省が9日、明らかにした。

 ISはここ数日、米軍の所有物とみられる弾薬や雑誌、手りゅう弾、米国旗、米兵の身分証明書を写した写真を公開していた。

 国防総省によると、ISによる攻撃を受けた際、米軍の部隊は「負傷者収容地点(CCP)」で「戦闘」に巻き込まれたという。

 国防総省のアダム・スタンプ(Adam Stump)報道官は、「その結果、CCPをより安全な場所に移設したが、移設の過程で、一部装備品を取り残してしまった」と説明。「策定された作戦計画に照らし合わせれば、CCPの撤収は予定より早まったが、装備品の回収で兵士の命を危険にさらすようなことをしなかったのは十分理解できる」と述べた。

 国防総省の当局者は、この攻撃で米軍の拠点が制圧されたのではないと強調している。

 首都カブール(Kabul)では7月、ISが犯行を主張する自爆攻撃が2度発生し、80人が死亡、231人が負傷した。それを受けてアフガニスタン軍は、ナンガルハル州東部での対IS作戦を強化している。

 米国防総省によれば、最近のアフガニスタン軍との共同作戦で、米特殊部隊の隊員5人が負傷したという。今回のISの攻撃で負傷者が出たかどうかは明らかにされていない。(c)AFP