【8月9日 AFP】陸上男子短距離のスーパースター、ウサイン・ボルト(Usain Bolt、ジャマイカ)が8日、リオデジャネイロ五輪は自身にとって最後の五輪になると語るとともに、スキャンダルに揺れる陸上界は正しい方向に進んでいるとの見解を示した。

 報道陣と談笑し、半裸のサンバダンサーと一緒に踊ったボルトは、「3大会連続3冠」の準備は整っていると宣言した。

 29歳のボルトは、来年英ロンドン(London)で開催される第16回世界陸上(16th IAAF World Championships in Athletics London)で引退する意向を示している。

 リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)でボルトは、100メートル、200メートル、4×100メートルリレーで3大会連続となる金メダル獲得を目指している。

 会見で今後のキャリアについて質問されたボルトは、「間違いなくこれが最後の五輪になる。もう十分やった。何度も自分自身を証明してきた。これが最後だよ」と答えている。

 ロシアの国ぐるみのドーピングや、国際陸上競技連盟(IAAF)の旧上層部による汚職など、陸上界は多くの困難を抱えているが、ボルトは陸上界が最大の危機を乗り越えたと信じている。

「自分としては正しい道をたどっていると思う。間違いないよ」

「僕らは悪事を排除している。個人的には正しい方向に進んでいると考えている。良い時代になる前には、難局を乗り越えなければならない。陸上は2、3年後にはよりクリーンですべてが素晴らしいスポーツになる。それを楽しみにしている」

 ロシアのドーピングスキャンダルにより、薬物違反の発覚を逃れる手段が巧妙になっていることが明確になったが、ボルトは、「人生では何も保証されない。自分としてはレースに出るだけだ。決して心配しない」と語り、リオ五輪でクリーンではない選手と同じ舞台に立つ可能性に関心を払うことはなかった。

「そういったことを懸念しているのは世界反ドーピング機関(WADA)、IAAF、国際オリンピック委員会(IOC)だ。自分としては戦い、観客を沸かせて楽しませるために試合に出るだけだ。ただ戦いたいんだ」

「個人的にはこのスポーツが正しい道を歩んでいると感じているし、数年で健全な状態になるだろう。それについて心配はしていないよ」

(c)AFP