【8月9日 AFP】リオデジャネイロ五輪は8日、競泳4種目の決勝が行われ、女子100メートル平泳ぎでは米国のリリー・キング(Lilly King)が金メダルを獲得した。

 ロシアのユリア・エフィモワ(Yuliya Efimova)が出場した同種目の決勝は、大会に影を落としている同国の国家ぐるみのドーピング問題を象徴するようなレースとなった。

 初出場を果たした五輪の舞台で19歳のキングが、エフィモワは競泳界にふさわしくないと考えていたと明言すると、それに同意した大勢の観客が、決勝のスタート台に上がった24歳の元世界女王に対してブーイングを浴びせた。

 トップで50メートルを折り返したキングは、エフィモワの終盤の追撃を寄せ付けず、1分4秒93の五輪新記録をたたき出した。エフィモワは1分5秒50で2位、米国のケイティ・マイリ(Katie Meili)が1分5秒69で3位に入った。

「クリーンな状態で競技に出ても、トップになれることを証明できたと思います」と強調したキングは、エフィモワに対するコメントについて何も後悔していないと付け加えると、「意見を口にして、レースでトップになれたことをとても喜んでいます」と語った。

 キングとマイリがプールの中で一緒に喜び合う一方、今大会では200メートル平泳ぎにもエントリーしているエフィモワは、レーンロープにもたれる後、プールを出た。

 2013年に禁止薬物の使用で16か月間の出場停止処分を受けていたエフィモワは、昨年競技に復帰して第16回世界水泳選手権(16th FINA World Championships)で女子100メートル平泳ぎを制した。

 エフィモワは、今年3月に禁止薬物メルドニウム(Meldonium)の陽性反応が検出されて暫定的に資格停止処分となったあとも、紆余(うよ)曲折を経ながら、過去のドーピング違反もしくは国家ぐるみの不正に関与したとして名前が挙がっていたほかの露競泳選手6人とともに、ぎりぎりでリオ五輪の出場が認められた。