【8月6日 AFP】ブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)で5日、さまざまな困難に見舞われた7年間の準備を経てリオデジャネイロ五輪の開会式が行われた。

 開会式が行われるマラカナン・スタジアム(Maracana Stadium)には約4時間にわたって行われる開会式を見ようと約7万8000人が集まった。開会式が始まる前のスタジアムは、ブラジル国旗を身にまとい、華やかなスポーツの祭典が始まるのを今か今かと待つ人々でお祭り気分が漂っていた。

 ブラジルの歌手パウリーニョ・ダ・ヴィオラ(Paulinho da Viola)がブラジル国家を歌い、子どもたちがレーザー光とダンスのショーを始め、選手の入場行進が始まった。

 VIP席にはブラジルのミシェル・テメル(Michel Temer)暫定大統領や、フランスのフランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領、アルゼンチンのマウリシオ・マクリ(Mauricio Macri)大統領らの姿が見られた。

 南米大陸で初の夏季五輪開催となる今大会には207の国や地域などが参加し、21日まで行われる。

■会場周辺は厳戒態勢

 主催者は開会式の目的は寛容と尊重のメッセージを送ることだとしている。しかしブラジルが景気後退や高失業率や相次ぐ犯罪に見舞われ、テメル暫定大統領が政治的混乱の渦中にいるなかでの五輪開幕となった。

 開会式を見るためスタジアム行きの地下鉄新路線からどっと出てきた人々を出迎えたのは、自動小銃を手にした迷彩服の兵士たちだった。

 スタジアム周辺で警備する兵士や機動隊員の数も増え、入り口には高圧放水銃を搭載した車が配備され、騎馬警官がパトロールを行っていた。地元民は当局が張った非常線を勝手に通り抜けて自宅には帰ることはできない。

 地面に座り込んだ30人ほどのデモ隊は約80人の警察官とにらみ合いを続け、開会式の花火が上がるとブーイングを発して非難の声を上げた。(c)AFP