【8月4日 AFP】インド上院は3日、州ごとに異なる間接税率を全国で一律化し、共通市場を創出するための憲法修正案を全会一致で可決した。インドにとって画期的な税制改革となり、経済成長率の押し上げ効果も期待されている。

 インドではこれまで物やサービスにかかる間接税率が州によってまちまちだったが、新たに全国統一の「物品・サービス税(GST)」を導入する。ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相の与党インド人民党(BJP)と、国民会議派(NCP)をはじめとする野党勢力との間で合意が成立していた。

 GSTの実施はかねて懸案となっていたもので、2014年のモディ政権誕生以来、最大規模の改革となる。モディ首相は今回の法案可決を「真に歴史的な出来事」とたたえ、支持した政党すべてに謝意を表した。

 アナリストによれば、GSTの導入によって南部タミルナド(Tamil Nadu)や西部マハラシュトラ(Maharashtra)、西部グジャラート(Gujarat)州といった製造業が盛んな州では税収が減少する恐れがある。それでも、減少分は5年で回収できる見込みだ。

 インドの産業界は長年、経済の活性化につながるとしてGSTの導入を強く求めてきた。インド産業連盟(CII)の推計では、国内総生産(GDP)成長率を1.5~2ポイント押し上げる効果がある。

 法案は憲法の修正により政府に新たな徴税権を認める内容で、すでに下院を通過している。成立にはインドの全29州のうち、過半数で批准される必要がある。(c)AFP