【8月5日 AFP】ネパール代表として、リオデジャネイロ五輪の競泳女子100メートル背泳ぎに出場する13歳のガウリカ・シン(Gaurika Singh)は、今大会の最年少出場選手になろうとしている。

 13歳と255日の若さで五輪本番を迎えるシンは、「すごいクールなこと。少し現実じゃないみたい」と語る。

 英ロンドン(London)のバーネット・コプトホール水泳クラブ(Barnet Copthall Swimming Club)を練習拠点としているシンは、寄せられる期待にもひるまない精神力を持っている。

 国内の水泳選手権に出場するため母親、弟とともにネパールに帰郷していた際に、約9000人が死亡した昨年4月のネパール大地震に遭遇したシンは、「恐ろしかったです」と当時を振り返った。

 カトマンズ(Kathmandu)にある建物の5階に住んでいたシン一家は、机の下に隠れたあと余震が続くなかで階段を下りながら避難した。

「幸運にも新しい建物だったので、周囲のように倒壊しませんでした」

 震災後には父親の友人が学校を再建するための慈善団体を設立し、シンも改めて開催された選手権の賞金などを寄付したという。

 昨年8月にロシアのカザニ(Kazan)で開催された第16回世界水泳選手権(16th FINA World Championships)で100メートル背泳ぎに出場したシンは、今年2月にインドで開かれた第12回南アジア競技大会(2016 South Asian Games)で計4個(銀メダル1個、銅メダル3個)のメダルを獲得した。

 娘を応援するためにブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)へ帯同する父親のパラス(Paras)さんは、「娘がリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)で最年少の出場選手になることは信じられない。大きな重圧にも対処しているあの子には驚いています」とコメントしている。

 シンはリオ五輪の女子100メートル背泳ぎで、自身が樹立した国内最高記録1分7秒31の更新を目指している。(c)AFP