【8月3日 AFP】2015年の地球の気候についての報告書が2日公表され、昨年は地球温暖化、温室効果ガス濃度、海面レベルで、観測史上の記録が更新されたことが明らかになった。主要環境指標全体で近年最悪の年となった。

 全300ページの年次報告書「気候の状態(State of the Climate)」2015年版は、米海洋大気局(NOAA)国立環境情報センター(National Centers for Environmental Information)主導で、世界の科学者450人によりまとめられた。

 昨年の記録的な気温上昇をめぐっては、地球温暖化に一部起因しているが、過去最強とされたエルニーニョ(El Nino)現象でさらに悪化した。

 米ハワイ(Hawaii)州にあるマウナロア(Mauna Loa)観測所で観測された大気の年間平均CO2濃度は400.8ppmを記録し、初めて400ppmを突破。「58年の観測史上最大の年増加量」となった。

 報告書はまた、地球の陸海表面の平均温度が2015年に過去最高を記録したというNOAAおよび米航空宇宙局(NASA)の記録結果を確認した。

 地球の海面レベルも過去最高点に達しており、1993年の平均値より約70ミリ高くなっている。報告書によると、地球全体で少しずつ上昇を続けている海面の平均上昇値は年間約3.3ミリだという。

 一方、深刻な干ばつに見舞われた地域はほぼ倍増。2014年には地球の8%だったが、2015年には同14%となった。

 気候変動にとりわけ敏感とされる北極地域は温暖化が継続しており、温度上昇により海氷量が減少している。報告書には「(昨年の)北極の地表付近の温度は、20世紀初期の観測開始以降の最高値を示した2007年、2011年と並ぶ記録となり、観測開始当初より2.8度上昇している」と記された。

 地球全体での山岳氷河の後退は、36年連続となった。

 北半球の6月の積雪面積は、49年間の衛星観測史上で2番目に低い値を記録した。(c)AFP/Kerry SHERIDAN