【8月2日 AFP】リオデジャネイロ五輪の選手村では、新築されたばかりの宿泊棟でぼや騒ぎが発生したほか、水漏れ、トイレの詰まり、むき出しの電気配線、電気がつかない階段の吹き抜けなどの問題が山積している。そのため、今大会でメダル獲得数の記録更新を目指している英国は、選手村で専用の配管工を「帯同」させるなど、最大限の対策を講じている。

 母国を離れて競技に臨む英国は、オーストラリア選手団の入村が遅れたことなどを受け、五輪でのメダル獲得数を更新するために万全の態勢を整えた。

 英国選手団のマーク・イングランド(Mark England)団長は1日、「専用の配管工を雇うことにしました。過度の労働にならない程度に、不測の事態に備えてもらいます。朝のシャワーが好みの温度より低かったりした場合にも対応してもらいます」と語った。「消防にも宿泊棟の検査を何度もお願いしており、これまでのところ結果には満足しています」

 英国選手団は、17階建ての建物に366人全員が宿泊する予定となっており、そのなかにはウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)を制した男子テニスのアンディ・マレー(Andy Murray)や、男子プロゴルファーのジャスティン・ローズ(Justin Rose)、ダニー・ウィレット(Danny Willett)らも含まれている。

 ぼや騒ぎが発生した先月29日には、外に避難していたオーストラリア選手団の部屋が物色されるなど、選手村では窃盗事件が増加しており、英国では選手たちに貴重品を金庫に預けるなどの対策を呼びかけている。イングランド団長は「豪選手団がパソコンやバッグを盗まれたことは知っています」と話し、「海外で休暇を過ごすときと同じように、貴重品にカギをかけるなどの用心が必要です」と強調した。

 2008年の北京五輪で母国開催以外では英国史上最多となる計47個のメダルを獲得し、母国開催となった2012年のロンドン五輪でもメダル獲得数で3位に入った英国は、万全の態勢を敷くことによって、選手たちが記録更新に集中できることを期待している。

 イングランド団長は「ここに来たのは歴史をつくるためです。リオ五輪の英国チームは史上最強の才能が集まっており、今大会はわれわれにとって最大のチャンスです」と自信をみせた。

「1992年のバルセロナ五輪以降、この四半世紀では最大規模の選手団であることは間違いありません。総勢366人の選手団で、各選手がそれぞれ偉業を成し遂げる高い潜在能力を持っています」

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