【7月29日 AFP】(写真追加)ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王が29日、ポーランド南部のオシフィエンチム(Oswiecim)にあるナチス・ドイツ(Nazi)のアウシュビッツ・ビルケナウ(Auschwitz-Birkenau)強制収容所跡を訪れ、悪名高いスローガン「働けば自由になる(Arbeit macht Frei)」が掲げられた鉄製の門をくぐった。

 フランシスコ法王は頭を下げて黙とうした後、大勢の人々が銃殺された「死の壁」の前で、ホロコースト(Holocaust、ユダヤ人大量虐殺)の生存者たちと面会した。面会した生存者の中には、アウシュビッツのオーケストラでバイオリンを演奏した現在101歳の女性や、強制収容所の病院で働いていた人、当時まだ子どもだった人々などもいた。

 フランシスコ法王は「死の壁」の前でろうそくをともし、頭を下げて祈りをささげた。その後、アウシュビッツで他の人の身代わりになって死亡したカトリック教会の聖人、マキシミリアノ・コルベ(Maximilian Kolbe)神父の独房を訪れた。この日は、コルベ神父が死刑を宣告されてからちょうど75年だった。

 アウシュビッツ訪問前に法王は、この場所で行われた恐しい出来事に思いを巡らすために、礼拝では演説を行わず静かにたたずみ、涙が流れるのにまかせると述べていた。(c)AFP/Ella IDE