【7月29日 AFP】ドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は28日、首都ベルリン(Berlin)で記者会見し、国内で凶悪事件が相次ぐ中でも難民受け入れ政策を堅持すると明言した。

 夏季休暇を中断して会見に臨んだメルケル首相は、1週間のうちに4件の襲撃事件が起きたことに対し「衝撃的で、耐え難く、つらい」と述べつつも、独当局が事態に対応できなくなっているわけではないとコメント。襲撃犯らの狙いは「助けを必要としている人々に手を差し伸べようとするわれわれの共同体意識、寛容さ、意欲を損なうこと」だったとして、「そのようなことは断固として退ける」と述べた。

 その上で、内戦や迫害を逃れてきたシリアなどからの移民・難民を受け入れる姿勢を改めて強調。「私たちにはできると、今も確信している。これは、われわれの歴史的な義務であり、グローバル時代における歴史的な課題だ」とメルケル首相は語った。

 さらに、フランス、ベルギー、トルコ、米国などで死者を出す襲撃事件が相次いでいることに触れ、イスラム過激派は容認しないが、ドイツ政府は今後も理性と慈悲に従うと発言。「一連の事件は大きな不安を引き起こしているが、政治的な決定が恐れによって左右されることはない」と述べた。(c)AFP/Deborah COLE