【7月29日 AFP】イタリア・セリエAのナポリ(SSC Napoli)からユベントス(Juventus)へ移籍したことで物議を醸しているゴンサロ・イグアイン(Gonzalo Higuain)が、28日に初めて古巣のナポリの監督やファンについてコメントし、歩み寄りを求めた。

 昨シーズン、新記録となるリーグ戦36ゴールを挙げるなど、古豪ナポリ復活の原動力となってきたイグアインは、26日に移籍金9000万ユーロ(約103億円)でユベントスへ移籍。契約期間5年の年俸がリーグ最高給の750万ユーロ(約8億6000万円)ということで、金目当ての移籍だとやゆする声もある。

 移籍自体にも加えて、何よりファンを激怒させているのが、おおむね前向きな3シーズンを過ごしたナポリとファンへ感謝や惜別のメッセージが何もなかったこと、そしてイグアインの能力をフルに引き出したと言われるマウリシオ・サッリ(Maurizio Sarri)監督が、電話すらなかったと不満を漏らしたという報道が出たことだった。

 これについてイグアインは28日の入団会見で、「黙っていようと決めたのは僕の判断だ。僕にとって、静寂が必要な時間だったんだ。何も考えたくなかったし、ただ家族や友人と一緒に休暇を過ごしたかった」と口を閉ざしてきた理由を説明し、監督を軽んじたわけではないと話した。

「だけど彼(サッリ監督)は僕を成長させてくれたとても大切な人だ。ここから活躍を祈っている。申し訳ないし、彼には感謝という言葉しかない」

 そして、監督以上に腹を立てているのがナポリのファンだ。アルゼンチンのディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)が在籍した1987年から1990年にセリエAの頂点に立ったナポリは、リーグでも特に熱いサポーターがいることで知られ、彼らはその後の低迷期にあってもチームを力強く支えてきた。

 そんな「ティフォージ(熱狂的なファン)」は、今回の移籍が発表されたその日のうちに、イグアインのユニホームを便器に放り込んだ写真を投稿したり、脚や腕にイグアインの刺青を彫ったことをSNSで嘆いたりしている。

 イグアインはファンに対しても傷つけるつもりはなかったと話し、「あのときは静かにしていたい状態だったけれど、今なら説明できる。ナポリでは素晴らしい3年間を過ごしたから、みんなが怒っているのは理解できる。何をしたかも見た」と続けた。

「だけどこれは、達成したい個人的な目標があって決めたこと。移籍が決まってうれしい。これからはユーベのことだけを考える」

(c)AFP/Justin DAVIS