【7月28日 AFP】米ペンシルベニア(Pennsylvania)州フィラデルフィア(Philadelphia)で開催中の民主党全国大会は27日、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が演説し、かつて候補指名を争ったヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官を米国初の女性大統領にしようと支持を呼び掛けた。また、11月の大統領選は「単に左か右かで政党や政策を選ぶものではなく、もっと根本的な選択だ」と述べ、米国の民主主義が試されていると訴えた。

「米大統領としてヒラリー・クリントン氏ほどふさわしい人物は、これまで男性も女性もいなかったと自信を持って言おう。私自身でも、ビル(・クリントン元大統領)でも、誰でもない」とオバマ大統領は語った。

 また、オバマ大統領は米国の未来については楽観していると述べ、共和党の強い悲観主義が2016年の選挙戦を通して怒りと憎悪をたきつけていると非難。共和党がドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を候補指名した全国大会では、「喫緊の課題に対する真剣な解決策は示されず、憤慨と非難、怒りと憎しみをあおっていただけだ」と激しく批判した。

 また、トランプ氏について「これまで70年間の人生で、一度も労働者に敬意を払ったことのない人物が、突然あなたの擁護者になる、あなたの声になると言っているが、心から信じている人がいるのだろうか? もしそう思うなら、彼に投票するべきだ」とオバマ大統領はやゆした。

 45分間に及んだオバマ大統領の力強い演説が終了すると、クリントン氏が壇上に登場。会場を埋め尽くした数千人の代議員や支援者から割れんばかりの歓声が湧き起こった。(c)AFP