【7月28日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は27日、ポーランドを初訪問し、「世界は戦争状態にある」が原因は宗教はではないと語った。

 前日の26日にはフランスのカトリック教会で、礼拝中の司祭が男2人に殺害される事件が起き、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出している。

 こうした中、ポーランド南部クラクフ(Krakow)に到着した法王は、ポーランドの人々に向けた第一声で、「恐怖を克服する」方法は、紛争や苦難を逃れてきた人々を受け入れることだと指摘。「戦争と飢えから逃れた人々を受け入れる精神と、自由と安全の中で信仰を告白する権利などの基本的人権を奪われた人々への連帯」を呼び掛けた。

 また、移民に対して門戸を開くためには「偉大な英知と慈悲」が求められると述べ、第2次世界大戦(World War II)後最悪の欧州難民危機にあたり、ポーランドの右派政権が負担の分担を拒否していると激しく非難した。

 これに先だち法王は、伊ローマ(Rome)からポーランドに向かう飛行機の中で、報道陣に対し「真実を話すことを恐れるべきではない。平和を失った世界は戦争状態にある」と述べ、次のように続けた。

「私の言う戦争とは、利害や金銭、資源をめぐる戦争のことで、宗教をめぐる戦争ではない。全ての宗教は平和を望んでおり、戦争を望んでいるのは宗教ではない」 (c)AFP/Ella IDE, Mary SIBIERSK