【7月28日 AFP】マウスを使った実験で、蚊が媒介するジカウイルスの感染を防ぐ可能性がある抗体6種を特定したとする研究論文が27日、発表された。

 米医学誌セル(Cell)に論文を発表したのは、米ミズーリ(Missouri)州セントルイス(St Louis)にあるワシントン大学医学部(Washington University School of Medicine)の研究チームで、抗体特定は予防ワクチン開発に向けた「重要な一歩」と述べた。抗体6種はジカウイルスに対してのみ作用がみられ、ジカ熱診断などでの使用が考えらえるという。

 論文の共同執筆者、デイブド・フリモント(Daved Fremont)教授(病理学・免疫学)は、「重要なことは、われわれが特定した抗体のいくつかは、それぞれアフリカ、アジア、アメリカ系統のジカウイルス株にほぼ同程度作用するということだ」と指摘した。

 ジカウイルスは胎児の先天性異常を引き起こす可能性があることから、今後は妊婦向けのワクチンの開発が鍵となる。妊娠中の女性は免疫系の働きが抑制される。このため少量のウイルスでも体調を崩す恐れがあり、一般の人々に接種可能な、生きた病原体を原料とする生ワクチンを妊婦に接種することはできない。(c)AFP