【7月27日 AFP】米大リーグ(MLB)通算3000本安打まであとわずかに迫っているマイアミ・マーリンズ(Miami Marlins)のイチロー(Ichiro Suzuki)が26日、フィラデルフィア・フィリーズ(Philadelphia Phillies)戦に1番・中堅で先発出場し、8回にヒットを記録して通算安打数を2997本に伸ばした。試合はマーリンズが5-0で勝利している。

 中堅手のマーセル・オズナ(Marcell Ozuna)の打撃不振を受けて、約1週間ぶりに先発に入ったイチローは、初回にあわや本塁打という飛球を放ったが、フェンスに激突しながら捕球したフィリーズのピーター・ボアジャス(Peter Bourjos)の好守に阻まれ、記録の上積みとはならなかった。

 それでも、7打席連続無安打で迎えた8回、イチローは大量点の口火を切る安打を記録。単打で出塁したイチローは、ジャンカルロ・スタントン(Giancarlo Stanton)のエンタイトルツーベースで生還。マーリンズはさらにアデイニー・ヘチャバリア(Adeiny Hechavarria)の2点適時打、ミゲル・ロハス(Miguel Rojas)の二塁打でこの回一挙4得点を奪い、勝負を決めた。そしてイチローは5打数1安打で試合を終えている。

 マーリンズのドン・マッティングリー(Don Mattingly)監督は、フィリーズとの3連戦最終戦でイチローが先発するかを明言していない。しかしスタントンは、「イチローがヒットを打って、あれで球場が一気に盛り上がった」とイチローの貢献をたたえている。

 イチローは6月に日米通算の安打数でピート・ローズ(Pete Rose)氏が持つメジャー最多安打記録の4256本を上回った。ローズ氏本人をはじめ、メジャー関係者からは日米通算であることを疑問視する声も上がっているが、記録達成は日本に大きな感動をもたらした。

 今や世界有数の知名度を持ち、野球界の象徴となったイチロー本人は、3000本安打達成が迫るなかでも普段通りの姿勢を貫いているが、メジャー初挑戦の年齢が27歳だったことを考えれば、驚異的な記録なのは間違いない。(c)AFP