【7月27日 AFP】遺伝子編集や脳内へのチップ埋め込み、人工血液など、身体および知的面で人を向上させる「未来のテクノロジー」について、米国民の間では、関心よりも懸念の方がより強いことが、26日に発表の世論調査結果で明らかになった。

 米ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)による調査は、米国の成人4700人を対象に行われた。この数字は、全米の成人を母集団とした場合のサンプルサイズとして考えられるという。

 乳幼児の重い病気のリスクを低減することが可能と考えられる遺伝子編集については、過半数を超える68%が「非常に」「いくらか」心配があると回答した。

 知能や集中力を向上させ得る脳内チップの埋め込みには回答者の68%が懸念を示した。身体的なスピードや力強さ、スタミナを向上させる合成血液については同63%だった。

 脳や血液の改善を望むとしたのは回答者のわずか3分の1ほどだった。

 乳幼児の病気を予防する遺伝子編集の利用を望むかという問いについて、米国民は真っ二つに分かれた。「はい」と答えたのは48%で、「いいえ」は50%だった。

 多くの人は、こうした「向上」は持てる者と持たざる者の格差をさらに広げる恐れがあると指摘し、また10人中少なくとも7人は、こうした技術が十分に理解されないうちに利用可能になると考えているとした。

 また調査では、信仰を持つ人では、こうした技術の活用に後ろ向きである傾向もみられた。(c)AFP