【7月27日 AFP】(更新、写真追加)米ペンシルベニア(Pennsylvania)州フィラデルフィア(Philadelphia)で開催中の民主党全国大会で26日、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官(68)が大統領候補として正式に指名された。米国の主要政党で女性が大統領候補に指名されたのは初めて。

 大統領候補指名争いでバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員を退けたクリントン氏は、米国初の女性大統領に向けて歴史的な一歩を踏み出した。

 党大会は前日に開幕し、サンダース氏とクリントン氏の支援者の間でやじや歓声が飛び交った。クリントン氏はこの日の投票で指名に必要な2382人以上の代議員を獲得。11月の本戦で共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏と対決することになった。

 投票から数時間後、ビル・クリントン(Bill Clinton)元大統領が登場し、自分の妻こそが米国が必要とする「変革者」だと述べた。さらに同元大統領は、40年以上連れ添う妻との私的なエピソードを交え、公益に尽くす妻の賢さや強さをたたえた。会場を埋め尽くした代議員らは45分に及ぶスピーチに聞き入った。

 続いて中継によるクリントン氏のメッセージが、女性の昇進を阻む「ガラスの天井(=見えない障害)」を打ち破る映像から始まった。象徴的なガラスの天井に並んだ全員男性の歴代大統領の画像が割れるようにして、中継先のクリントン氏が登場。民主党員らに、女性にとっての見えない障害に「最大のひびを入れた」と述べ、女性初の米大統領候補になった喜びを語った。

 この日、クリントン氏のツイッター(Twitter)のアカウントには、「歴史がつくられた」というコメントが投稿された。(c)AFP