【7月27日 AFP】フランス北部ルーアン(Rouen)近郊の教会に26日、ナイフを持った2人組が押し入り、人質に取った司祭の喉をかき切って殺害した事件について、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」は同日、犯行声明を出した。また仏検察当局は、容疑者の一人が過去に2度シリア渡航を試みて身柄を拘束され、監視用の電子ブレスレットを装着させられた上で自宅軟禁下に置かれていたことを明らかにした。

 フランソワ・オランド(Francois Hollande)大統領は、実行犯らが警察によって射殺される前、ISの名の下に犯行に及んだと主張していたと発表。IS系通信社のアマック(Amaq)は「治安筋」の話として、実行犯らは「十字軍連合の参加国を狙えとの呼び掛けに応じて攻撃を実行したISの兵士」だったと伝えている。

 仏検察のフランソワ・モラン(Francois Molins)検事は、襲撃犯の一人の身元をアデル・カミーシュ(Adel Kermiche)容疑者(19)と発表。AFPの取材に応じた捜査関係筋によると、同容疑者は昨年2度にわたりシリア渡航を試み、テロ関連の犯罪者と関係を持った罪で訴追されていた。モラン検事によると、容疑者はその後、自宅軟禁下に置かれ、26日の犯行時も監視用ブレスレットを装着していたという。

 近隣住民からは同容疑者が過去に教会襲撃をほのめかす発言をしていたという証言も上がっていた。容疑者が治安当局の監視下にあったことが判明し、フランスの治安対策に対する疑念がますます高まることが予想される。(c)AFP