【7月26日 AFP】米民主党の全国大会が25日、ペンシルベニア(Pennsylvania)州フィラデルフィア(Philadelphia)で開幕した。党幹部らはメール流出問題をめぐり、大会で候補指名を受けるヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官と争ったバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員の選挙運動に対する妨害を疑われても「弁解の余地はない」として、サンダース氏に謝罪した。醜聞を引き起こした党内対立の収束を図る狙いとみられる。

 党指導部のメールは先週末に内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」が公表。中立性を標榜している民主党全国委員会(DNC)が、サンダース氏の信条やユダヤ系であることについて疑問を抱かせて同氏の選挙運動の妨害を図る内容のものが含まれていた。この問題を受けてデビー・ワッサーマン・シュルツ(Debbie Wasserman Schultz)委員長が開幕前日の24日、辞意を表明する異例の事態となっていた。

 DNCは大会初日に当たって出した声明で「サンダース上院議員とその支持者の皆さん、そして党全体に対して、電子メールに弁解の余地のない記述があったことを、心から深く陳謝したい」と表明。「これらの発言には、本委員会が掲げる価値観や、指名過程で中立性を固持する姿勢が反映されていなかった」と釈明した。

 大会の開幕宣言はシュルツ氏ではなく、メリーランド州(Maryland)ボルティモア(Baltimore)のステファニー・ローリングスブレイク(Stephanie Rawlings-Blake)市長が行った。

 開幕直後にはクリントン氏支持の大歓声が上がったが、一部代議員の間では激しいブーイングが起き、サンダース支持者による「バーニー! バーニー!」という連呼も聞こえた。サンダース氏が改めてクリントン氏への支持を呼び掛けると、やはり歓声で迎えられたものの、一部の支持者からはやじも飛ばされた。(c)AFP