【8月5日 AFP】女子体操のオクサナ・チュソビチナ(Oksana Chusovitina、ウズベキスタン)は、自身7度目の五輪へ向けて練習に励んでいる。41歳での出場は、女子体操種目史上最高齢での出場だ。チュソビチナにとってリオデジャネイロ五輪出場は、四半世紀で異なる3か国の代表を務めてきた彼女の素晴らしいキャリアをさらに高めることになる。

 一緒に競技する体操選手とあまり変わらない年齢の息子を持つチュソビチナではあるが、身長150センチ、体重43キロの肉体を維持するためには努力を惜しまない。今回タシケント(Tashkent)で練習の合間を縫ってAFPの取材に応じたチュソビチナは、長きにわたる現役生活について、「練習してきたことを本番の舞台で発揮するだけ。それが私に喜びを与えてくれるの」と語った。

 ソビエト連邦の代表としてキャリアをスタートさせたチュソビチナは、ソ連崩壊後の1992年バルセロナ五輪では独立国家共同体の選手として出場し、見事に団体金メダルを獲得したが、個人種目のメダル獲得にはそれから16年も待たなければならなかった。その後、1999年に息子のアリーシア(Alisher)くんを出産すると、白血病を患った愛息の治療のためドイツに移住。2008年の北京五輪にはドイツ代表として出場し、種目別の跳馬で銀メダルを獲得した。

 そして現在、母国に戻ったチュソビチナはウズベキスタン代表としてリオ五輪に出場する。人口およそ3000万人のウズベキスタンでは、国民から多大な尊敬を受け、切手にもなっているほどだ。チュソビチナはリオ五輪でメダルを獲得する可能性について聞かれ、「予想するには早すぎる」と語った。

■年齢を重ねてもなお進化し続ける

 チェソビチナは、自身の年齢の半分にも満たない若い選手たちと競争することの厳しさを認めており、「体操競技はどんどん難しくなってきていますが、それと同時により劇的で美しくなってきている」と話す。

 それでも、彼女がこれだけ長く競技を続けられる理由は、日々のたゆまぬトレーニングや鍛錬だ。チェソビチナのコーチは、今大会で女子体操選手の五輪出場記録に挑むチェソビチナが「今まで以上に高い目標を掲げている」としており、「現代の体操は急速に変化しているが、オクサナは順応している。ただ競技を続けているのではない。常に進化を続けているんだ」と語った。

 年齢を重ねてもなお進化し続けるチェソビチナに対し、若手選手からの称賛の声はやまない。一緒に練習を行っている若手にとって、チェソビチナはインスピレーションの源だ。

 18歳でウズベキスタン代表のエレナ・レガ(Elena Rega)は、AFPの取材に対して「以前、チュソビチナから指導を受けたことがあって、いろいろなことを学びました」と明かしている。

「彼女のキャラクターと闘争心がすべて。彼女が体育館に姿をみせると気持ちが高まるの」

(c)AFP/Dana Operina