【7月25日 AFP】トルコ最大の都市イスタンブール(Istanbul)で24日、軍の一部勢力によるクーデター未遂を非難する超党派の集会が事件後初めて開かれ、数千人がタクシム(Taksim)広場を埋め尽くした。

 集会は中道左派の世俗主義政党・共和人民党(CHP)の呼び掛けで行われたもの。レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領を支えるイスラム保守系の与党・公正発展党(AKP)と、対立する世俗派の野党陣営が、国の結束を示すため一時的に団結した。

 タクシム広場は参加者が手にしたトルコ国旗で真っ赤に染まったが、CHP支持者の中にはトルコ共和国建国の父、ムスタファ・ケマル・アタチュルク(Mustafa Kemal Ataturk)初代大統領の肖像を掲げる人の姿も多くみられた。

 CHPのケマル・クルチダオール(Kemal Kilicdaroglu)党首は集まった人々に向けて「民主主義が勝利した」と宣言した一方、今後は「国が怒りと復讐によって統治されてはならない」「容疑者は法的に裁かれるべきだ」と強調し、拘束された人々が拷問や虐待の対象となる可能性に警鐘を鳴らした。

 一方、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、複数の弁護士や医師、トルコの拘禁施設の担当者1人から得た証言として、エルドアン政権がクーデター未遂関連で拘束した者に虐待や拷問を行っていると批判している。(c)AFP