【7月24日 AFP】ツール・ド・フランス(2016 Tour de France)は23日、第20ステージ(メジェーブからモルジヌ、146.5キロメートル)が行われ、チームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)が通算3度目となる総合優勝を事実上決めた。ステージはモビスター・チーム(Movistar Team)のイオン・イザギーレ(Ion Izaguirre、スペイン)が制している。

 この日も滑りやすい危険な路面状況が続くなか、4人のチームメートに周囲を守られながらモルジヌ(Morzine)のフィニッシュラインを越えると、満面の笑みを浮かべたフルームは、「パリ(Paris)へイエロージャージーを運ぶ仕事が残っているけれど、レースの部分は間違いなくこれで終わったし、勝負はついた」と語った。

「今日のフィニッシュラインをチームメートみんなと越えられたのは、本当に夢のような気分だった。ここまで一歩一歩進んでくるなかで、みんなはいつもそこにいてくれた。これ以上は何も望めないよ」

 滑りやすい危険な路面状況はこの日も発生し、前日のクラッシュ多発の記憶がまだ新しいこともあって、上位10選手の中であえて危険を冒して勝負に出ようとする者はほとんど現れず、不安定なコンディションのなかで1つか2つ順位を上げるためにすべてを失う危険を冒すくらいなら、現在の順位に満足すべきだと考えている様子だった。

 トレック・セガフレード(Trek Segafredo)のバウケ・モレッマ(Bauke Mollema、オランダ)とカチューシャ(Team Katusha)のホアキン・ロドリゲス(Joaquim Rodriguez、スペイン)はアタックを仕掛けたものの、逃げ集団の中でティンコフ(Tinkoff)のロマン・クロイツィゲル(Roman Kreuziger、チェコ)と10位争いを繰り広げるのが精いっぱいで、モレッマは結局、12位スタートのクロイツィゲルに10位を奪われる結果に終わっている。

 総合2位につけるアージェードゥゼル・ラ・モンディアル(AG2r - La Mondiale)のロマン・バルデ(Romain Bardet、フランス)は、最後のスプリントでフルームとのタイム差をわずかに縮めたものの、差はいまだ4分5秒と大勢に影響はなく、同3位もモビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)で変動はなかった。

 24日の最終ステージはパリへの行進の意味合いが強いため、総合順位争いとしてのツールはこれでほぼ終了したといえる。

 フルームが優勝した2013年と2015年に準優勝し、今年は総合優勝の最有力候補に推す声があったキンタナも、体調不良のなかで3位に食い込めたのは上出来だと認めている。

「この体調で3位に入ってツールの表彰台に上がれるのはうれしいし、すごく満足している」

(c)AFP/Barnaby CHESTERMAN