【7月23日 AFP】ツール・ド・フランス(2016 Tour de France)は22日、第19ステージ(アルベールビルからサン・ジェルヴェ・モンブラン、146キロメートル)が行われ、チームスカイ (Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)が途中の下り坂で落車しながらも、レースへの気概と決意を示してマイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)を守った。

 雨に見舞われた第19ステージでは、滑りやすくなった下り坂でフルームらが落車するなか、アージェードゥゼル・ラ・モンディアル(AG2r - La Mondiale)のロマン・バルデ(Romain Bardet、フランス)がその状況をうまく利用してアタックを仕掛け、今大会で母国に初の勝利をもたらした。バルデと23秒差の2位には、カチューシャ(Team Katusha)のホアキン・ロドリゲス(Joaquim Rodriguez、スペイン)が入っている。

 ユニホームが破れるほどの落車に見舞われたフルームは、チームメートのゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)に自転車を借りてレースを続行すると、バルデから36秒差の9位でフィニッシュし、総合争いでもリードを広げた。

 膝に大きなテーピングをしながら表彰式に臨んだフルームは、英民間放送ITV4に対して「今日のレースは、自分がなぜツールはまだ終わってないと考えているのかを示すものとなった」とすると、「深刻なけがでなく本当にありがたかった。どちらに転んでもおかしくない状況だった」とコメントした。

 一方、トレック・セガフレード(Trek Segafredo)のバウケ・モレッマ(Bauke Mollema、オランダ)は、落車と2度のスリップを喫してトップから4分26秒遅れのゴールとなり、総合では2位から10位に転落。オリカ・バイクエクスチェンジ(Orica BikeExchange)のアダム・イェーツ(Adam Yates、英国)も、終盤の数キロで苦戦を強いられ、モビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)に総合3位を明け渡して同4位に後退した。

 フルームが一歩抜け出している総合順位では2位争いが激戦となっており、総合2位に浮上したバルデが首位から4分11秒差、キンタナが同4分27秒差、イェーツが同4分46秒差、そしてBMCレーシングチーム(BMC Racing Team)のリッチー・ポート(Richie Porte、オーストラリア)が同5分17秒差となっている。

 山岳ステージで好調を維持していたポートだったが、今ステージでは終盤の下り坂で落車してライバル勢に後れを取り、追走もむなしく最後に引き離されてトップと53秒差の10位でフィニッシュ。イェーツはポートと3秒差の13位に終わった。(c)AFP