【7月22日 AFP】映画監督のオリバー・ストーン(Oliver Stone)氏(69)が21日、スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO(Pokemon Go)」の世界的なブームについて、全体主義に導かれ得る「新たな段階の侵略」と表現した。

 ストーン監督は、米サンディエゴ(San Diego)で開催中の「コミックコン(Comic-Con)2016」初日、米国家安全保障局(NSA)の元職員エドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者をモデルにした同監督の新作映画の討論会で、「ポケモンGO」は「監視資本主義」のより大きな文化の一環だと述べた。

 さらに、「これは、史上最も成長スピードの速いビジネスだ。彼らは巨額の資金を、監視活動、つまりはデータマイニングに投じている」としながら、「この部屋にいるすべての人に対し、何を買ったか、好きなものは何か、そしてとりわけ日頃の行動についての情報を収集・分析している」と指摘した。

 位置情報に基づく拡張現実ゲームの「ポケモンGO」をめぐっては、今月初めのリリース以降、世界的な大ブームを巻き起こしている。だが、グーグル(Google)の閲覧履歴やEメールへのアクセスなどが要求されるとして、一部では批判も起きている。

 アカデミー賞3度受賞の経歴を持つ同ストーン監督は、「ポケモンGO」は監視文化の「始まり」で、それが「至るところ」にあると述べ、「これは、一部で監視資本主義と呼ばれており、その新たな段階にある」とした。

 また、「率直に言って、そこにあるのは新しい形態のロボット社会だ。そこでは、皆さんがどのように行動したがっているのかが把握され、その行動に合わせたモックアップが用意・提供される。いわゆる全体主義というものだ」と警鐘をならした。(c)AFP