【7月22日 AFP】ツール・ド・フランス(2016 Tour de France)は21日、第18ステージ(サランシュからメジェーヴ、個人タイムトライアル、17キロメートル)が行われ、ステージを制したチームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)が通算3度目の総合優勝へ大きく近づいた。

 31分4秒を記録したチーム・ジャイアント・アルペシン(Team Giant-Alpecin)のトム・デュムラン(Tom Dumoulin、オランダ)が、1時間半以上にわたってトップを守るなか、179選手の中で最後にスタートしたフルームが完璧な体力配分で30分43秒のタイムをたたき出した。

 最初の計測地点である6.5キロ過ぎでは全体5位に過ぎなかったフルームだが、そこから強さを発揮し、最終的にはデュムランに21秒もの差をつけて悠々とステージ優勝を飾った。

 フルームは、「素晴らしいポジションだ。これだけの差をつけて最終盤のステージに入れるのは本当に気持ちがいい」とコメントした。

「だけど油断は禁物だ。これからの(第19、第20)ステージは本当に厳しいからね。パリ(Paris)へたどり着くまでは、集中を保ってやるべき仕事をやり遂げなくてはならない」

 アスタナ(Astana Pro Team)のファビオ・アール(Fabio Aru、イタリア)が、BMCレーシングチーム(BMC Racing Team)のリッチー・ポート(Richie Porte、オーストラリア)をコンマ数秒上回って3位に入る健闘をみせた。

 2人は今ステージで、総合上位のライバルたちから大きくタイムを稼ぎ、特にポートは、ステージ開始時点で2分あったトレック・セガフレード(Trek Segafredo)のバウケ・モレッマ(Bauke Mollema、オランダ)との差を1分8秒にまで縮めた。

 モレッマは総合2位を守っているものの、フルームより1分25秒遅いタイムでゴールし、その差は3分52秒にまで広がった。

 モレッマが総合上位6人の中で最も遅いタイムにとどまったため、フルームが総合制覇をほぼ手中に収める一方、アルプス(Alps)の残り2ステージでは、激しい表彰台争いが繰り広げられるものとみられる。

 総合5位につけるアージェードゥゼル・ラ・モンディアル(AG2r - La Mondiale)のロマン・バルデ(Romain Bardet、フランス)はモレッマとのタイム差を大きく縮め、オリカ・バイクエクスチェンジ(Orica BikeExchange)のアダム・イェーツ(Adam Yates、英国)もモレッマと24秒差の同3位を守っている。

 また、一向に調子の上がらなかったモビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)も、この日はまずまずの結果を残した。総合4位は変わらず、バルデとポートの追い上げは受けたものの、逆にモレッマとイェーツとのタイム差は縮めることに成功した。

 2013年大会と2015年大会でフルームに次ぐ総合2位に入り、現在26歳となるキンタナは、今大会のコースが彼好みだとみられていたこともあって、多くの人が一番の優勝候補だと考えていたが、ここまでは本調子には程遠く、フルームがギアを上げると対応できないステージが続いていた。(c)AFP/Barnaby CHESTERMAN