【7月21日 AFP】トルコ1部リーグのベシクタシュ(Besiktas)に所属し、昨季リーグ得点王に輝いたドイツ代表のマリオ・ゴメス(Mario Gomez)が、わずか1年での退団を発表した。クーデター失敗後の同国の政情不安が理由だという。

 ゴメスは自身のフェイスブック(Facebook)ページに声明を掲載し、「ベシクタシュファンのみんなに、個人的に伝えなくてはならないことがある。僕にとっても非常につらい話だが、この偉大なクラブで、みんなという素晴らしいファンの前で、ほかのどこにもないスタジアムでのプレーを諦めることになった」と記した。

「これは純粋に、ここ数日間で起こった恐ろしい出来事があったからだ。みんなにも理解してもらえればうれしい」

 首都アンカラ(Ankara)やイスタンブール(Istanbul)に恐怖をもたらしたクーデター未遂の後、トルコ脱出を決断した有力選手はゴメスが最初となる。トルコ1部リーグでは、ほかにもロビン・ファン・ペルシー(Robin van Persie)やルーカス・ポドルスキー(Lukas Podolski)ら、複数の欧州のスター選手がプレーしている。

 ゴメスは昨シーズン、イタリア・セリエAのフィオレンティーナ(Fiorentina)から1年間の期限付きでベシクタシュに加入。すぐさまファンの心をしっかりとつかみ、きらびやかな新スタジアムの完成した特別なシーズンに26得点を挙げ、クラブの2009年以来となるリーグ優勝の原動力となった。そして、今季は完全移籍で加入することが確実とみられていた。

 ゴメスは無念さをうかがわせながら、「理由は完全に政治情勢だけだ。スポーツの面や、そのほかの面で何か理由があって、今回の決断に至ったわけではない」と付け加えた。

「今回の政治問題が、できる限り早く、穏便に解決してほしいと願っている。そしてその暁には、またベシクタシュでプレーすることが僕の何よりの願いだ。この1年で、このクラブや国は僕にとってすごく大切なものになったんだ」

(c)AFP