【7月21日 AFP】約8000万年前の新種の肉食恐竜の化石がアルゼンチンで見つかった。「巨大な泥棒」として知られる恐竜の仲間だという。研究論文が20日、発表された。

 米オンライン科学誌プロスワン(PLOS ONE)に掲載された論文によると、化石は、白亜紀後期の化石が多数発見されているアルゼンチン・パタゴニア(Patagonia)で発掘され「Murusraptor barrosaensis(学名)」と名付けられた。今回の発見により、メガラプトル科の起源について、より解明が進む可能性があるという。

 これらの恐竜は、二足歩行で移動し、大きな鎌爪を持つのが特徴。敏しょうで賢く、食欲旺盛なことから、「巨大な泥棒」と呼ばれるようになった。

 この恐竜の仲間としては、メガラプトルやオルコラプトル、アエロステオンなどが良く知られている。一部の化石はオーストラリアや日本でも発見されている。

 Murusraptor barrosaensisの化石の一部が見つかったのは、パタゴニア北西部のシエラ・バローサ(Sierra Barrosa)。研究チームは、「頭骨が完全な形で残されており、これまでに発見されたメガラプトル科の化石の中で最も状態が良いものの一つ」としている。化石は、幼獣のものとみられるが、メガラプトルよりも大きく細身で、アエロステオンやオルコラプトルと同程度の大きさだったとみられるという。

 研究は、アルゼンチン国立科学技術調査委員会(Consejo Nacional de Investigaciones Cientificas y Tecnicas)のロドルフォ・コリア(Rodolfo Coria)氏とカナダ・アルバータ大学(University of Alberta)フィリップ・キュリー(Phillip Currie)氏が率いた。(c)AFP