【7月18日 AFP】男子米国ツアーメジャー第3戦、第145回全英オープン(The 145th Open Championship)は17日、スコットランド(Scotland)のロイヤルトゥルーン(Royal Troon)で最終日が行われ、ヘンリク・ステンソン(Henrik Stenson、スウェーデン)が通算20アンダーでフィル・ミケルソン(Phil Mickelson、米国)を振り切り、キャリア初のメジャータイトルを獲得した。

 ミケルソンに1打差の単独首位でスタートしたステンソンは、1番でボギーをたたいたものの、最終ラウンドメジャー大会の1ラウンド最少スコアに並ぶ63を記録。最終的には10バーディーを奪い、大会史上最少スコアも記録した。

 一方、ミケルソンはほとんどミスを犯さず、最終日を1イーグル、4バーディー、ノーボギーで回り65の好スコアを記録しながらも、首位と3打差の通算17アンダーで2位に終わった。

 スコットランドの西海岸では珍しく晴天で静かな午後を迎え、両選手は絶好のコンディションが整えられた決戦の舞台で、期待を裏切らない戦いを繰り広げた。この2人以外で目立つ結果を残したのは、通算6アンダーで3位に入った米国のJ.B.ホームズ(J.B. Holmes)だけとなった。

 40歳にして悲願のメジャー初制覇を果たしたステンソンは、「実感するまでには時間がかかりそうだ」としながらも、「自分のプレーにはとても満足している。フィルと素晴らしい戦いができた。まさに一騎打ちとなり、それが最後まで続いた。とにかく攻めていくしかなかった。いくらバーディーチャンスをものにし続けても、フィルには余裕を与えてもらえなかったから、引き離していくしかなかった」と語った。

 ステンソンは過去のメジャー大会で2位に計7回も入っており、ミュアフィールド(Muirfield)で行われた2013年大会では、ミケルソンに届かず2位に終わっている。

 優勝争いが2人に絞られるなかで迎えた最終日は、映画『白昼の決闘(Duel in the Sun)』と呼ばれた1977年大会の名勝負をほうふつさせた。エアシャー(Ayrshire)沿岸のターンベリー(Turnberry)で行われたこの大会では、トム・ワトソン(Tom Watson)とジャック・ニクラス(Jack Nicklaus)の米国勢がほかのライバルを引き離して一騎打ちとなり、最終的にはワトソンが逃げ切った。

 そしてこの日は、40代の2人がその年齢を感じさせないような世界トップクラスのプレーを披露し、素晴らしい優勝争いを繰り広げた。

 パー4の1番で1打後退したステンソンだったが、その後は5バーディーを奪って折り返すと、10番でもいきなりバーディーを奪取。続く難攻の11番ではパーパットを外してつまずく場面もあったが、再び14番から圧巻の3連続バーディーを記録して勝利を手中に収めた。

 ステンソンが15番でロングパットを見事に沈めて2打差に引き離すと、ミケルソンはお手上げ状態となり、勝負の行方がほぼ決定づけられた。最後もバーディーでホールアウトしたステンソンは、最終的に3打差で勝利をつかみ、ミケルソンが初日に記録したメジャー最小ストロークの63に並んだ。

「これまでで最高のプレーをしたが、勝てなかった」と肩を落としたミケルソンだったが、「2位に終わって残念だが、ヘンリクを祝福する」と相手をたたえた。(c)AFP/Andy SCOTT