【7月15日 AFP】地球の健全性を保証する生物多様性が現在、危機的なレベルにまで減少していることを示唆する研究論文が14日、発表された。

 米科学誌サイエンス(Science)に掲載の論文は、地球の全陸地面積の58%で「エコシステムが人間社会を支える構図に疑問が生じるほど、生物多様性の損失は広がっている」と指摘する。この58%の陸地には、地球人口の約71%が暮らしているという。

 英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(UCL)の研究者らは、各国の科学者数百人による、世界1万8000以上の場所で採取された、生物3万9000種以上に関する計238万件の記録データを基に研究を行った。

 研究では、それぞれの土地における人の入植後の生態系の多様性について経時変化を推定するため、生物種の個体数変化を表す「生物多様性完全度指数(BII)」が用いられた。

 BIIでは、一般的に安全と考えられる指数低下の限界値を最大10%としている。これは、ある特定の生息地内における生物種の個体数が、人間による土地利用のない時点との比較で90%以上であれば安全圏にあるという意味だ。

 しかし、研究論文によると、現在の地球上の生物多様性は、このしきい値を下回る84.6%になっているという。

 共同執筆者である、英ロンドン(London)自然史博物館(Natural History Museum)のアンディ・パービス(Andy Purvis)氏は、「政策当局者らは景気後退については大いに心配するが、環境の後退はさらに悪い結果をもたらす恐れがある。これまでに起きている生物多様性の損失は、そのような危機的状況が現実のものとなるリスクを意味している」と警鐘を鳴らした。(c)AFP