■「同じ」と「異なる」という概念を学習

 こうして刷り込みをしたひなのグループに、2個同じか、または異なる物体の新たな組み合わせを見せると、全体の4分の3のひなが、最初に見たのと似た組み合わせの後を追った。

 また、最初に見たのが球形2個一組だったひなは、形が異なる物体の組み合わせより、立方体2個といった、別の形でも同じ物体2個の組み合わせの後を追う確率の方が高かった。

 この結果についてカセルニック氏は、鳥が「同じ」と「異なる」という概念を学習できることを示していると指摘する。また、「形と色の2通りでこの実験を行ったが、結果は同じだった」とも付け加えた。

「人間でない生物が、抽象的な関係概念の違いの認識を、強化訓練を一切実施せずに学習することを実証したのは、われわれが知る限り今回の研究が初めてだ」(カセルニック氏)

 この能力を示した他の生物の場合では、それも正しい選択に対する見返りを得るプロセスを経ていたが、「今回のカモのひなは、生まれて間もない時に刷り込みを起こす素因を持つため、自然発生的にそれを行った」とカルセニック氏は説明した。(c)AFP