【7月15日 AFP】(訂正)ツール・ド・フランス(2016 Tour de France)は14日、第12ステージ(モンペリエからモンヴァントゥ、184キロメートル)が行われ、チームスカイ(Team Sky)のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)はバイクと衝突したものの、総合首位のマイヨ・ジョーヌ(イエロージャージー)を守った。

 バイクとの接触事故で、交換用のバイクを待ちながらも一時は自らの足で走ったフルームは当初、総合首位の座を明け渡し、優勝の希望が立ち消えとなるかに思われた。

 しかしながら大会主催者は、モンヴァントゥでフィニッシュを迎えた今ステージ後、フルームのリードを回復させた。フルームは総合2位につけるオリカ・バイクエクスチェンジ(Orica BikeExchange)のアダム・イェーツ(Adam Yates、英国)との差を47秒としている。

 表彰式後に仏テレビ局のインタビューに応じたフルームは、「なんて締めくくりだ。ヴァントゥは驚きにあふれているね。最後の1キロ辺りでバイクが急ブレーキをかけたのさ」と語った。

「リッチー・ポート(Richie Porte、オーストラリア)、バウケ・モレッマ(Bauke Mollema、オランダ)と一緒にいて、3人でバイクの後ろに突っ込んだ。さらにもう1台のバイクも突っ込んできて、自転車を壊されてしまった。審判団の裁定には満足している。正しいと思うよ。審判団、そして大会主催者には礼を言いたい」

 フルームは、総合上位の集団に差をつける中、ポートとモレッマとともにゴールを目指していたが、多数のファンに足止めされてしまったバイクに衝突した。

 フルームは再び走り出そうとしたものの自転車が壊れていたため、新しいバイクを運ぶチームの車が追い付くのを待ちつつ、上り坂を走り始めた。

 最終的に自転車に乗ってゴールを迎えたフルームだったが、ステージ開始前に28秒差をつけていたイェーツに逆転され、53秒差の6位に転落してしまった。

 しかしながら、審判団はこのアクシデントについて調査を行い、短い協議の末にフルームの総合首位が守られることになった。

 審判団は、集団によるスプリントでのゴール前でのクラッシュや、技術的な問題が発生した際にタイムを無効にする3キロメートル規則を採用。これにより、このアクシデントから最初に立ち直ったモレッマと同等のタイムがフルームとポートにも適用された。

 この結果により3選手は、バイクや車に道をふさがれてた優勝候補の選手を含む後続集団に19秒差をつけている。

 首位の座を守ったフルームは、ライバルであるモビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)との差を54秒に広げている。

 一時は新たに総合首位の座についたイェーツだったが、当初のレース結果を変更した審判団の裁定を支持した。

「そういうものさ。結果には満足している。あんな形でマイヨ・ジョーヌを手にしたくはなかったからね」

 この日のステージ優勝は、ロット・ソウダル(Lotto Soudal)のトーマス・デヘント(Thomas de Gendt、ベルギー)が飾っている。

(c)AFP