【7月15日 AFP】映画『蜘蛛女のキス(Kiss of the Spider Woman)』で世界的に知られるアルゼンチンの映画監督、エクトル・バベンコ(Hector Babenco)氏(70)が死去した。ブラジルの病院関係者が14日、明らかにした。

 1960年代以降、ブラジルの市民権を獲得し、同国に居住していたバベンコ氏は、12日から手術のため病院に入院していた。

 バベンコ氏のプロダクション会社関係者の話を伝えたブラジルの報道によると、同氏は順調に回復しているように見えたが、心不全のため13日夜に死去したという。病院の報道担当者がAFPに同氏の死亡を確認した。

 バベンコ氏は1986年に映画『蜘蛛女のキス』でアカデミー賞(Academy Award)最優秀監督賞にノミネートされた。同作品は最優秀作品賞にもノミネートされ、俳優ウィリアム・ハート(William Hurt)さんが主演男優賞を獲得している。

『蜘蛛女のキス』は、1976~1983年のアルゼンチン軍事独裁政権時代の恐怖を、投獄された2人の受刑者の関係を通じて描いた作品だ。(c)AFP