【7月13日 AFP】男子ゴルフのロリー・マキロイ(Rory McIlroy、北アイルランド)が12日、リオデジャネイロ五輪では「大事な競技」しか見ないとして、五輪のゴルフ競技には関心がないことを示唆。ランキング上位選手が懸念を示すジカ熱に対し、他競技の選手や女子ゴルフの上位選手はほとんど気にしていないようにみえるが、マキロイは男子ゴルファーにとっての五輪の立ち位置が、他競技の選手のものとは単純に違うとの見解を示した。

 11日に60人の出場選手リストが発表された五輪のゴルフでは、マキロイがいち早く出場辞退を表明しており、そのほかにもジェイソン・デイ (Jason Day、オーストラリア)、ダスティン・ジョンソン(Dustin Johnson、米国)、アダム・スコット(Adam Scott、米国)、ジョーダン・スピース(Jordan Spieth、米国)も不参加を発表している。

 米国ツアーメジャー第3戦の第145回全英オープン(The 145th Open Championship)を控えたこの日、マキロイは「(五輪は)たぶん見るよ。ゴルフが観戦する競技のなかに入るかどうかはわからないけどね」とコメント。そしてどんな競技にチャンネルを合わせるのかと問われると、「陸上とか水泳、飛び込み、そういった大事なものだろうね」と答えた。

 今回のリオ五輪では、1904年のセントルイス五輪以来100年以上ぶりにゴルフが競技に復活。国際ゴルフ連盟(IGF)のピーター・ドー ソン(Peter Dawson)氏は、五輪という新たな露出の機会が、ゴルフのさらなる発展につながってほしいと期待を寄せていた。

 しかし、マキロイは「僕はゴルフ界を発展させるためにゴルフを始めたわけじゃない。ツアーやメジャーに勝つためにゴルフを始めたんだ」と主張した。

■スピース「健康面での不安を総合的に判断」

 全英オープンの会場ロイヤルトゥルーン(Royal Troon)には、五輪復活の「失敗」をめぐる話題が暗い影を落としている。そして直前で出場辞退を表明したスピースは、その理由を自らの口で説明することに追われた。

 スピースはこれまでで「最も難しい決断だった」と苦渋の判断だったことを強調し、さらに2020年の東京五輪は今でも「大きな目標」だと話している。

「おそらく、僕の22年間の人生で最も難しい決断だった。本当にそう思う。大学を選んだときや、学校をやめてプロに転向すると決めたときよりも悩んだ。すごく苦しかった」

「五輪は大好きだし、五輪のゴルフを心から応援している。できればこの先4回か5回、チャンスがあれば、米国代表として五輪に出たいと今でも思っている」

 となると、スピースの決断がなぜ直前だったのかという疑問が浮かんでくる。ジカ熱に対する不安をはじめ、特定の問題が理由ではないと本人が話していることも腑(ふ)に落ちない。これについてスピースは「個人的な問題だ。難しい。僕に言えるのは、何か特定の理由があったわけではないということだ。健康面での不安を総合的に判断した」と述べた。(c)AFP/Andy SCOTT