【7月13日 AFP】(更新)イタリア南部プーリア(Puglia)州で12日に発生した旅客列車の正面衝突事故で、これまでに22人の死亡が確認された。地元警察当局が明らかにした。さらに42人が負傷し、うち4人が重体という。

 アンドリア(Andria)郊外の現場では、気温が40度に達する中、200人の救助隊による救助活動が続けられている。

 イタリアメディアは死者数を23人と報道。犠牲者の中には、抱き合った状態で見つかった母子もいたと伝えている。

 現場では、単線上で激突した両列車の残骸が、周辺のオリーブ畑に散乱。地元ジャーナリストは、「世界の終わりのような光景で、一目見ただけで吐かないようにするのに必死だった」と語った。

 ある高齢女性は地元テレビ局に対し、「遺体の一部や血、ばらばらになった人体があった」「残骸の中をはだしで歩いた。その下を掘り起こして、夫を引き擦り出した」と語った。

 衝突した列車はともに4両編成だった。列車を運行していた私鉄のフェロトラムビアーリア(Ferrotramviaria)は、両列車の乗客数について、定期券利用が多いため正確な数字はわからないとしている。

 調査当局によると、事故当時、少なくとも片方の列車が非常に高速で走行していた。衝突が人為的ミスによって引き起こされた可能性もあるという。

 規定では、列車の片方が、コラート(Corato)とアンドリアを結ぶ単線に入る前に、駅で信号が青になるのを待つことになっていた。両列車の運転士のうち、1人の死亡が確認された。(c)AFP/Giovanni GREZZI with Ella IDE in Rome