【7月12日 AFP】米大統領選で共和党の候補指名が確実なドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は11日、バージニア(Virginia)州バージニアビーチ(Virginia Beach)で開かれた選挙集会で、テキサス(Texas)州ダラス(Dallas)の警官銃撃事件を念頭に警察に対する脅威が増していると述べ、自分こそが頻発する銃の暴力から米国人を守る「法と秩序の候補だ」とアピールした。

 ダラス(Dallas)で警官が狙撃され5人が死亡した事件などを取り上げたくだりで語った。「法と秩序」は、ベトナム戦争などを受けて米社会が混乱する中、故リチャード・ニクソン(Richard Nixon)元大統領が1968年の大統領選でモットーとした言葉だ。

 トランプ氏は「ダラス警察に対する攻撃は、われわれの国に対する攻撃だ。米国民全体が喪に服してる」と指摘。その上で、警官など法執行職員のために「戦う」ことを誓い、大統領になれば政府が全面支援するとも約束した。

 ツイッター(Twitter)で暴言を吐いたり、容赦のないコメントをしたりすることの多いトランプ氏だが、黒人男性が先週相次いで警官に撃たれて死亡した事件については攻撃的なコメントを避けてきた。

 だが11日の集会では、他に類のないほど米国の警察を支援する準備ができていると主張。一方で、大統領選のライバルとなることが確定的な民主党のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官については「弱くて無能」な迎合主義者とこき下ろした。

「われわれも知っているとおり、米国の警察および法執行機関の職員がこの国で文明を全くの混沌と破壊から隔離してくれている」とトランプ氏はたたえた。(c)AFP