【7月9日 AFP】英国の裁判所は7日、米国籍の元モデルがサウジアラビア人の大富豪の元夫を相手に申し立てていた離婚調停で、元夫に対し、年間100万ポンド(約1億3000万円)の洋服代を含め総額5300万ポンド(約69億円)の慰謝料の支払いを命じた。

 巨額の慰謝料を手にするのは元モデルのクリスティーナ・エストラーダ(Christina Estrada)さん(54)。エストラーダさんの弁護団によれば、エストラーダさんの現在の資産と慰謝料を合わせた総額は7500万ポンド(約98億円)に達するという。

 エストラーダさんは、元夫のシェイク・ワリード・ジャファリ(Sheikh Walid Juffali)さん(61)に1億9600万ポンド(約255億円)の慰謝料を請求していたが、裁判所の判断に対しては感謝の意を示した。

 エストラーダさんは声明で、「ワリードと私が送ってきた華々しい生活は、とても幸せで高尚なものだったことは十分に理解している。より広い世界でこのことがどのように認識されるかも理解している」と述べている。

 審理で物質的な要求について追及されたエストラーダさんは、「私は世界的なトップモデルでした。私はこういう生活を送ってきたんです。こうした生活に私は慣れているんです」と主張していた。

 エストラーダさんが要求していた慰謝料には、英ロンドン(London)に住宅を購入するための費用6000万ポンド(約78億円)、ロンドン西方のヘンリーオンテムズ(Henley on Thames)に邸宅を購入する費用440万ポンド(約5億7000万円)、車5台の購入費49万5000ポンド(約6450万円)の他、毛皮のコートのための年間4万ポンド(約520万円)、オートクチュールのドレスのための10万9000ポンド(約1420万円)、靴のための2万1000ポンド(約270万円)といった洋服代が含まれていた。

 ジャファリさんは末期がんを患い、現在スイスで治療を受けている。ジャファリさんは、エストラーダさんが知らないうちにイスラム法に基づいて離婚し、2012年に25歳のレバノン人モデルと再婚していた。

 ロンドンは「離婚の都」として知られ、認められる慰謝料が世界のどの都市よりも高く、離婚調停や訴訟では女性にとって魅力的な場所となっている。(c)AFP