【7月9日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2016)は8日、男子シングルス準決勝が行われ、大会第6シードのミロス・ラオニッチ(Milos Raonic、カナダ)が6-3、6-7、4-6、7-5、6-3で通算7度の大会制覇を誇る第3シードのロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)を撃破し、カナダの男子選手として初めて四大大会(グランドスラム)の決勝進出を果たした。

 体力の消耗が激しかったフェデラーは、「いくつかのサービスゲームで相手を追い込もうとしたが、それができなかった」とすると、「彼はサーブとフォアハンドでライン際を狙い、素晴らしかった。忘れたいくらいの試合だよ。悔しいね。とても惜しかった」と悔しさをにじませた。

 一方、グラス(芝)コートで初めてトップ10の選手に勝利を飾った25歳のラオニッチは、フェデラーが目指していたオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(All England Lawn Tennis and Croquet ClubAELTC)での史上最多通算8回目の優勝と、自身18個目となるメジャータイトル獲得の野望を打ち砕いた。

 ラオニッチは、「カナダにとって大きな影響を及ぼすになる。願わくば、日曜日(10日)に勝利を収めて、もっとすごいことになればいいね」と優勝に向けて意気込んだ。

「第3、第4セットは苦戦を強いられた。相手のテニスが絶好調だったからね。続けていて最高の気分だった」

 序盤の嵐が過ぎ去ったあと、大会10度目の準決勝で完全に主導権を握っていたフェデラーだったが、第4セットから突如としてその流れが変わった。34歳のフェデラーは、ここ42年間で最年長の大会ファイナリストを目指していたが、第12ゲームでゲームカウント40-0から3連続でポイントを許すなどして、このセットを奪われてしまった。

 グランドスラム通算17勝を誇る一方で、2012年大会を最後にその王座から遠ざかっているフェデラーは、マリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)との準々決勝でもマッチポイントを3度握られるなどフルセットの激闘を演じており、かなり体力を消耗していた。最終セットでは右太ももの治療していたほか、激しい転倒で左ひざや足を痛めていた様子で、「故障していないことを願っている」とコメントした。

 フェデラーより9歳年下のラオニッチが最終セットで3-1と先行する一方で、フェデラーは第6ゲームで2度のブレークポイントをしのがなければならなかった。

 最後は、フォアハンドが大きくアウトになったフェデラーがウィンブルドンの準決勝で初黒星を喫し、果敢に攻めたラオニッチが勝利を収め、2013年大会覇者で第2シードのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)との決勝に駒を進めた。

 ラオニッチがサービスエース23本とウイナー75本を決めたのに対し、フェデラーは9回のブレークポイントのうち、ブレーク成功は1回にとどまった。(c)AFP/Dave JAMES