【7月8日 AFP】フランス・パリ(Paris)で7日、気候変動と健康についての国際会議が開幕した。参加した世界各国の政策立案者や当局者らは、気候変動による健康への計り知れない影響の可能性に備えるべきだと主張した。

 仏政府と世界保健機関(WHO)の共催で8日までの2日間の日程で開催される会議の参加者らは冒頭、化石燃料の使用量が今後数十年間で劇的に減少すれば気候変動の影響の一部は避けられるかもしれないが、すでに多くの影響が実感されていると指摘した。

 これまで100年に1度程度だった猛烈な熱波が10年ごとに発生するようになると、病人や高齢者を中心として多くの人命が失われる可能性がある。

 最も懸念されるのは、世界の食料供給への脅威だろう。主食となる作物の多くは、気候の変化に迅速に適応できないため収穫量が減少する。こうした傾向はとりわけ、発展途上国で多くみられるという。

 また世界で数十億人の主なたんぱく源となっている魚は、これまでの商業漁業により枯渇してきただけでなく、現在は海水温度の上昇やサンゴ礁の死滅などにより、別の場所に移動するようになっている。

 国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)事務局のリチャード・キンレイ(Richard Kinley)事務局長代理は「世界はすでに、深刻なレベルの気象崩壊に直面している」と述べ、「健康分野では、それに伴う結果に対応する必要が出てくるだろう」と付け足した。(c)AFP/Marlowe HOOD