【7月8日 AFP】メキシコの首都メキシコ市(Mexico City)の動物園で、人気者のオスのゴリラが死に、同動物園は7日、衝撃に包まれた。2頭のメスと交配させるため、獣医師らがこのゴリラを別の都市に移送する準備を行っていたところだったという。

 同市環境当局が検視の予備報告書をもとに発表した声明によると、24歳のバンツは、鎮静剤を打たれた後に心肺停止となり、蘇生を試みたものの6日夜に死んだという。

 バンツは、同国西部の都市グアダラハラ(Guadalajara)の動物園にいるメス2頭との交配に臨むため、同動物園に移送される予定だった。

 メキシコ市内の動物園の園長は、バンツが麻酔のせいで死んだ可能性を否定している。

 ゴリラの個体数は、生息地域が破壊され続けていることから激減しており、今回のゴリラの死によって、懸念の声も上がっている。野性のゴリラは現在、17万5000頭未満とされる。

 米オハイオ(Ohio)州シンシナティ(Cincinnati)の動物園で5月、ゴリラの囲いに転落した幼児を保護するため飼育員がオスのゴリラを射殺した際には、全米で激しい論争となった。(c)AFP