【7月8日 AFP】米国で今週、警官が黒人男性を射殺する事件が2件立て続けに発生し、警察とそれが奉仕する社会の間にある断絶が改めて露呈した中、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は7日、米国はこの断絶を修復するために共に努力することが必要だと訴えた。

 米ルイジアナ(Louisiana)州で黒人男性アルトン・スターリング(Alton Sterling)さんが、ミネソタ(Minnesota)州で黒人男性フィランド・キャスティル(Philando Castile)さんが警官に射殺された。両事件により警察の残虐性、特に若い黒人男性に向けられた問題が再び表面化した。

 ルイジアナ州の事件は米司法省の市民権担当部門がルイジアナ州の連邦検事事務所や連邦捜査局(FBI)の協力を受けて既に捜査を開始しており、ミネソタ州知事も同様の捜査を求めている。

 オバマ大統領はフェイスブック(Facebook)への投稿の中で、「米国民すべてがルイジアナ州バトンルージュ(Baton Rouge)のアルトン・スターリングさんと、ミネソタ州ファルコンハイツ(Falcon Heights)のフィランド・キャスティルさんの射殺事件を深く苦悩している」と述べた。

 同大統領は「これら(射殺事件)は、わが国の司法制度に広がる課題、司法制度全体に年ごとに現れる人種格差、その結果として警察と、彼らが仕えるコミュニティーのうちあまりにも多くのものの間に存在する信頼の欠如を示すものだ」と述べた。

「われわれが深刻な問題を抱えていることを認めることは、日々、命を懸けてわれわれを守っている大多数の警察官に対する尊敬と感謝の念に決して矛盾するものではない」

(c)AFP