【7月8日 AFP】サッカー欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)は7日、準決勝の試合が行われ、フランスはアントワーヌ・グリーズマン(Antoine Griezmann)の2得点により2-0でドイツを下し、ポルトガルとの決勝に進んだ。

 前半にバスティアン・シュバインシュタイガー(Bastian Schweinsteiger)の疑惑のハンドで得たPKを沈めたグリーズマンは、後半にも追加点を挙げてフランスの勝利を決定づけた。この結果グリーズマンは、今大会での得点数を6に伸ばし、得点ランクのトップに立っている。

 フランスのディディエ・デシャン(Didier Deschamps)監督は、ボール支配率ではドイツに圧倒された試合を振り返り、「われわれは苦しんだが、彼らを倒した」とコメントしている。

 マルセイユ(Marseilles)でドイツを撃破したフランスは、10日にスタッド・ド・フランス(Stade de France)で行われる決勝で、クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)擁するポルトガルと対戦する。

 フランスは主要国際大会5試合目で初めてドイツを破ったものの、前半終了間際のPKが議論を呼んでいる。

 映像では、フランスのCKでパトリス・エヴラ(Patrice Evra)をマークしていたシュバインシュタイガーが上げた腕にボールがかすめた様子が確認されており、ニコラ・リッツォーリ(Nicola Rizzoli)主審はドイツにとって厳しいジャッジを下した。

 この判定に不服のドイツの選手は、リッツォーリ主審の下に駆け寄ったもののジャッジは覆らず、2014年のW杯ブラジル大会(2014 World Cup)王者は致命的な失点を喫した。

 マッツ・フンメルス(Mats Hummels)を出場停止で、マリオ・ゴメス(Mario Gomez)とサミ・ケディラ(Sami Khedira)をけがで欠いたドイツは、スタッド・ヴェロドローム(Stade Velodrome)で行われた一戦では多くの変更を余儀なくされた。

 ケディラの代役には、リバプール(Liverpool FC)に所属し、この日が代表7試合目となったエムレ・ジャン(Emre Can)が起用され、シュバインシュタイガーと中盤に並んだ。

 また、ゴメスの代わりにトーマス・ミュラー(Thomas Muller)がセンターフォワードで起用され、フンメルスの位置にはベネディクト・ヘベデス(Benedikt Hoewedes)が入り、ジェローム・ボアテング(Jerome Boateng)とセンターバックのペアを組んだ。

 一方、フランスのデシャン監督は、5-2でアイスランドに快勝した準々決勝と同じ先発メンバーを起用し、サムエル・ウムティティ(Samuel Umtiti)とムサ・シッソコ(Moussa Sissoko)が再びピッチに送り込まれた。

 前半フランスは、ディフェンスラインを低くしてドイツにボールを持たせ、中盤でグリーズマンとシッソコがカウンターのチャンスをうかがうも狙い通りとはならなかったが、PKが試合の流れを一変させることとなった。

 フランスは前半を1点リードで折り返したものの、ドイツはボール支配率64パーセントを記録し、フランスの6本に対し11本のシュートを放った。

 リードを奪ったことでフランスは後半息を吹き返し、ドイツはますますフラストレーションを募らせることになった。

 後半16分にボアテングが負傷でベンチに下がり、さらに問題を抱えることとなったドイツのヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督は、同20分過ぎにジャンに代えてマリオ・ゲッツェ(Mario Goetze)を投入し、ゲッツェが劇的な決勝点を挙げたW杯決勝の再現を狙った。

 しかしフランスは同27分、ポール・ポグバ(Paul Pogba)の左サイドからのクロスをドイツの守護神マヌエル・ノイアー(Manuel Neuer)が弾くと、このボールに反応したグリーズマンがこの日2点目をマークした。

 4年前の欧州選手権(UEFA Euro 2012)準決勝以来となる主要国際大会での敗戦を免れたいドイツのレーブ監督は、残り10分でシュバインシュタイガーに代えてリロイ・ザネ(Leroy Sane)を投入したものの、最後までフランスのゴールをこじ開けることはできなかった。(c)AFP/Ryland JAMES