【7月5日 AFP】中国でこのほど、絶滅が危惧される動物を原料とした食品の販売を禁止する新たな野生動物保護法が成立した。同国の国営メディアが報じた。ただ、食品以外の製品については販売が認められるという。

 中国国営新華社(Xinhua)通信によると、中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会が2日に承認した保護法は、「トラやクマなどの野生動物とその派生製品の使用規定を強化する」ものだという。

 全人代のウェブサイトには、新たな法律は、絶滅危惧種を原料とするすべての食品の製造および販売を禁止するとある。

 ただ、その一方で、こうした動物の「繁殖や公共の場での興行」と、これら動物を原料とした製品の「販売や購入・使用」に関しては「関係当局」から許可を受けた場合に認められるともしている。

 食品と製品の違いや、その区別の仕方については、明記されていない。

 新たな保護法について動物保護団体らは、密猟の口実として悪用される恐れがあり、すでに脆弱な立場に置かれた動物たちにとっては、さらなる圧力となりかねないと指摘している。

 中国の約200の飼養場で捕獲・飼育されているトラは最大で6000頭に上るとみられており、これは全世界に生息する野生の個体数の約2倍にあたる。

 ニュースサイト「チャイナ・ダイアログ(China Dialogue)」が専門家の話として伝えたところによると、同国の捕獲繁殖業の市場規模は年間78億元(約1200億円)に上るという。(c)AFP