【7月4日 AFP】世界最高峰エベレスト（Mount Everest）の登頂に成功したと主張するインドの警察官夫婦が、証拠写真を捏造（ねつぞう）したとする疑惑について、ネパール当局が調査に乗り出した。当局者が4日、明らかにした。

　インドの警察で共に巡査を務めるディネーシュ・ラソッド（Dinesh Rathod）さんとタラケシュワリ・ラソッド（Tarakeshwari Rathod）さん夫婦は、今年5月23日に標高8848メートルのエベレスト登頂に成功したと記者団に語っていた。しかし、夫婦の山頂での写真は捏造されたものだと他の登山家らが指摘したことから、疑惑が浮上した。

　ネパール観光庁のスダルシャン・プラサド・ダカール（Sudarshan Prasad Dhakal）長官の4日の発表によると、観光庁では当初、夫婦の遠征を手配した団体やエベレストのベースキャンプに駐在している当局者らに話を聞いた後に、夫婦の登頂を認定していた。認定の際に判断材料とされるのは写真だが、写真が捏造したものであれば、それを見抜くのは難しいという。

　同長官は、捏造が発覚した場合は認定を無効にするとともに、偽造および詐欺の罪で訴えると述べた。エベレストに登頂したと偽ること自体は、実際のところ違法ではない。だが、インドでは8人の登山家らが、そうしたうそは登山家らの真剣な努力を軽視しているとして、夫婦に対し訴訟を起こしている。

　エベレスト登頂に成功した人の多くは、その体験に基づき、講演者や作家として収入を得たり、キャリアを築いたりしている。(c)AFP