【6月29日 AFP】サッカーアルゼンチン代表引退を表明したリオネル・メッシ(Lionel Messi)について、同国のマウリシオ・マクリ(Mauricio Macri)大統領が28日、メッシは「神の恵み」だと話し、国はメッシをもっと大事に扱うべきだと主張した。

 マクリ大統領は、内閣の会合前に行われた記者会見で、「われわれは幸運だ。世界最高の選手がわれわれのようなサッカー国に生まれたのは、神の恵みであり、人生の喜びだ」と語った。

「リオネル・メッシはわれわれが持つ最高の財産であり、大事に扱わなくてはならない」

 マクリ大統領はまた、27日にメッシと電話で話したことを明らかにし、「労をねぎらった。そして、チームにとって素晴らしい大会であったことを伝えた」と述べた。

 コパ・アメリカ・センテナリオ(Copa America Centenario USA 2016)決勝のチリ戦で、PKに失敗して涙とともにピッチを後にしたメッシは、敗戦直後に代表引退を表明。世界最高の選手と評されるメッシだが、主要国際大会の決勝で4度敗れており、代表ではトロフィーを取れていないと批判されることもあった。

 それでもメッシの引退表明以来、マクリ大統領をはじめとする多くのアルゼンチン国民がメッシの心変わりを願っている。そしてメッシが代表から退けば、2018年のW杯ロシア大会(2018 World Cup)出場を目指すチームにとって計り知れない痛手になるとみられている。

 ブエノスアイレス(Buenos Aires)では27日、ファンが「行かないで、レオ」と書かれたボードを掲げてメッシらを出迎えた。チームは無言で記者団の前を通り過ぎ、メッシはすでに故郷のロサリオ(Rosario)へ戻ったと報じられている。

 アルゼンチンの英雄で、1986年のW杯メキシコ大会では同国代表を優勝に導いたディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏も、メッシに再考を促している。ホセ・ルイス・ブラウン(Jose Luis Brown)氏らほかの元選手も、代表にとどまるよう呼びかけると話している。

 ブエノスアイレス市役所は28日、同市の「スポーツ・ウォーク・オブ・フェイム」とされる通りに建てた、メッシの銅像をお披露目している。(c)AFP