【6月28日 AFP】メキシコ警察と軍が、女性を逮捕し取り調べを行う際に日常的に拷問、虐待を行い、時に性的暴力を加えているとする報告を28日、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)が発表した。

 アムネスティは逮捕された際に暴力を受けたと報告した女性100人に取材調査を行い、その全員が何らかの性的嫌がらせや精神的虐待を受けたことを明らかにした。また約7割の女性が、逮捕された際か、それから数時間以内に性的虐待を受けたと回答した。

 女性たちが受けた虐待には、腹や頭を殴られる、本人または家族をレイプすると脅迫を受ける、窒息させられそうになる、性器に電気ショックを与えられる、体を触られる、レイプされるなどがあった。

 アムネスティは報告書で「警察は、政府の治安対策が実を結んでいることを社会に示し、検挙率を上げるために女性たちを格好の餌食として利用し、逮捕している」と述べ「こうした暴力を主に受けるのは若い、貧困家庭出身の女性たちだ。ジェンダー(社会的・文化的な性差)、年齢、社会経済状況が理由でこうした女性たちが直面している重層的で複合的な差別は、彼女たちが恣意(しい)的に逮捕、拷問され、虐待されるリスクを高めている」と指摘している。

 さらにアムネスティは、逮捕、収監された女性たちの多くがシングルマザーで、男性のパートナーを持つべきだといった女性に期待される社会通念に従っていないというだけで差別に直面していると報告している。(c)AFP/Yemeli ORTEGA